黒バスshort stories ver,Christmas
第2章 金と銀、紫と緑 ≪黄瀬涼太≫
「…これ…偶然っすね。俺も何スよ。」
そういって手渡されたのは、同じくらいのサイズの袋。緑と紫があしらってある。
「しおりんの目の色に合わせたんっすよ。」
ゆっくり紐をほどいて中を取り出すと、小さな銀色の鎖の先に光っていたのは私が今さっきあげたペンダントと、ペアの物だった。
私があげたのは、金色と緑。そして私がもらったのは、銀色と紫だった。
「これってさ…クリスマス特集で撮影した時の…」
「「ペアペンダント。」」
まさか、考えてることが一緒だったなんて、なんと言う偶然だろう。一人じっとペンダントを見てると、彼は小さく笑い、私の手からそれをとった。
不意に手が回されてじっとしてると、首にかかる微かな重み。
「やっぱり、しおりんが一番似合ってるッスね。」
「貸してよ。」
今度は私が彼に付けてあげた。なんだか、色っぽくて思わず見とれてしまう。
「おそろいだね。」
そういってクスッと笑うと、彼の頬が一瞬赤く染まったと思うと次には「そうッスね。」と笑いあった。
そんな、偶然が起こったクリスマス。