<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第24章 すばる ― 政宗&姫 ―
「昴?『星は昴』の昴の事?」
「そう、それ」
「…プレアデス星団」
「ぷれ?」
聞いた事のない言葉が舞の口から出てきた。
「昴の事をプレアデス星団って言うの。おうし座の中にある星の集団の事でね、昴はみんなあかちゃん星なんだよ」
「へぇ。昴の星はどれもあかんぼうなのか」
俺は素直に感心する。
「それなら500年後も見える星空は一緒なのか?」
「うん、そうだね。でも500年後は夜も明るいし、空気も汚れてるから、星はすごく見えにくくなってしまっているけどね」
「そうか。なら、星を見るならこの時代のほうが良いってことか?」
「そうだけど」
舞は一度言葉を区切り、俺の背中に顔をぺたりとくっつけてきた。
「政宗と見る星空だから良いんだよ」
「ふっ、そうか。俺も舞と見る星空は好きだ」
「じゃ、一緒に昴を見よ?」
その前に。
俺は振り向いて、湯上りの舞に口付けた。
<終>