<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第24章 すばる ― 政宗&姫 ―
風は冬の空気を含み始めていた。
昴の青白い瞬きが夜に見られるようになる。
星は昴。
そう、言ったのは、清少納言。
ほんとにそう思う。
いくつもの青い輝きが冬の空の一角を占領し、満天の星の中できらめきを主張する。
昴は俺の瞳と同じ。
俺の瞳は舞を映す。
昴の青は誰を映す?
「政宗!」
俺が外へ出て、空を仰ぎ見ていたら、湯浴みから戻った舞が声を掛けてきた。
「どうしたの?寒くなってきてるし、風邪ひくよ?」
「ああ、今、戻る」
ふところから手を出し、踵を返して部屋の中へ戻る。
「何、見てたの?」
舞は手拭いで髪の毛の水分を拭いながら聞いてきた。
「ああ、昴、だ」