<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第242章 愛する貴女との誕生日 ― 三成&姫 ―
「三成くん、お誕生日おめでとう」
柔らかな微笑みを浮かべた舞様は、私にお祝いを言ってくださった。
「ありがとうございます、舞様」
舞様は誰よりも心が強く、そして、誰にでも優しい。
だから敵方である武将たちからも気に入られ、また、贈り物をしているのも存じてます。
私だけの舞様で居て欲しい、というのは大きすぎる望みでしょうか。
舞様のその美しい姿を自分一人のものにしたい、と欲望が沸き上がります。
その都度己を戒めるのですが、こうしてお祝いしていただける、私にとって特別な日がやってくると、この日こそ舞様をひとりじめ出来るのではないかと思ってしまうのです。
そんな考えはいけませんか…?
「おやすみ取ったの?いいよ、夜はみんなでお祝いだからそれまでなら…」
私が特別な日に一緒に出掛けていただきたいとお願いすると、断る様子も見せずに同意してくださった。
どなたにも優しい舞様は、私のお願いにも嫌な顔せず応じてくださる。
その誰にも応える優しさは、時に私の心を寂しさでえぐるのですが…
ほんの少し遠出をして、美しい景色を一緒に見に行くと、舞様は目を輝かせて喜んでくださり私は出掛けた甲斐があったと嬉しくなりました。
「三成くん、あのね」