<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第234章 甘いとき ― 佐助&姫 ―
俺が言うと、瞬時に顔をあげて俺を見る舞さんの顔も、それなりな期待をしている表情だった。
「…いい?」
ちゅ、と舞の額に口付けると舞さんの両腕が俺の背中に回る。
俺はそっと舞さんの後頭部に自分の片手を回すと、彼女の顎をもっと上を向かせて口付ける。
「さ…すけ…くん…」
切れ切れに俺を呼ぶ舞さんの切ない声が俺の欲情を否が応にもあげていく。
「舞さん…俺をそんなに煽らないでくれないかな…」
俺は唇を離して大きく息を吐いて言うと、舞さんは目を見開き自分の何が俺を煽ったのかわからないと言わんばかりに首を左右に振る。
「…考えなくて良いよ。今は俺の事だけ考えて」
俺が乱れた横髪をそっと撫でつけると、舞さんは小さく頷き、俺はそのまま彼女の首筋に唇を這わせて彼女の中へやがて沈みこむ。
「…佐助くん…」
甘い声で俺を呼ぶ舞さんの声は、俺にとってはバレンタインの団子より甘い。
俺を求める舞さんのからだに俺はのめりこみ、俺は全身で彼女を愛する。
戦国のバレンタインも現代のバレンタインも、こうして恋人同士が抱き合う事はきっと同じだろう。
ならば俺は俺のやりかたで舞さんを愛して、バレンタインの贈り物に応えて舞さんをこれ以上ないくらい甘やかして蕩かしてあげるんだ。
<終>