<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第230章 星座のように愛を繋ぐ ― 三成&姫 ―
「お互いをもっとよく知り合えば、こういう会話が噛みあわない事もなくなるでしょう」
私の言葉に舞さまはぽかんとした表情を見せる。
「ど…いう、こと…?」
訝しむ舞さまの手をひき、私は手近な部屋へ入り、きっちりと襖を閉める。
そして意味がわからず立ち尽くす舞さまを、私は抱き締める。
「互いを良く知るにはこれが一番です。舞さま、失礼します」
背に回した手を少し下に下げ、舞さまの帯を解く。
「えっ…えっ…みつっ、なり、くんっ…?」
慌てる舞さまに私は更に囁く。
「駄目ですよ、舞さま。私の誕生日に私の欲しいものをくださるというなら…舞さまをください」
私がじっと見つめると帯を解かれて着物がだらしなくゆるんだ舞さまが、真っ赤な顔をしてこちらを睨むように見ているものの、やがて小さくため息をつくと口を開く。
「…誕生日おめでとう…」
そう言って舞さまは私の首に両手を回し、私に自ら口付けてくださった。
その柔らかな感触が嬉しくて、私は更にきつく舞さまを抱きしめながら、そっと畳に横たえる。
星の姿のように繋がる私と舞さまは、いつまでも星の海を揺蕩う笹船のように、ゆらゆらとゆらめき、やがて深い海の底へ堕ちていくのです。
いつまでも、これからも、共にいられるのが私の舞さまへの望みです。
<終>