<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第22章 愛の刃 ― 謙信&姫 ―
「けんしん…さま…」
唇を激しく奪い、舌を入れ、口内すら俺のものにしていく。
そして、着物も帯をほどき、乱していく。
「ん…あ…」
舞が色香を含んだ声で俺の口付けに応える。
そうだ。おまえは俺に絡めとられろ。
俺はおまえを拘束し、生涯離さぬ、そう決めたのだ。
「俺の歪んだ愛が嫌ならどこぞへと行くが良い」
「…そんな…私はここにいます。謙信様のお傍にずっといます」
嬉しい事を言うてくれる。
俺は愛していると何度もつぶやき、舞を追い詰める。
「私も、謙信様を愛してます」
舞も乱れた声で、俺へ何度も誓う。
俺も舞へ誓おう。
おまえを守り、おまえを愛し、それは地獄へ落ちても、だ。
だから俺は、愛の刃で舞を貫いて、愛を落とす―
おまえもその美しいからだを俺に差し出し、俺の刃と刺し違える覚悟を持て。
俺の愛を受け止めるなら、月光を受け冷たく輝く、俺の剣を全て飲み込むのだ。
<終>