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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第227章 優雅な愛 ― 姫&義元 ―


「驚いたな、舞が俺の誕生日を覚えていてくれたなんて」

「まさか今日会えると思わなかったので何も持っていないのですけれど、お誕生日おめでとうございます」

きちんと三つ指をついて挨拶すると、義元さんは手にしていた壺を下に置いて、にっこり微笑んだ。

「ありがとう。舞に言われると特別な感じがして嬉しいよ」



風が一筋なびいたように思った途端、義元さんにきゅっと抱き締められていた。

優美な姿から想像出来ない、思った以上に精悍なからだつきに、私はどきりとする。

「舞…贈り物はきみでは駄目なのかな?俺にとって一番の贈り物はきみだよ」

抱き締められながらすごい事を言われ、益々心臓がどきどきするけれど、義元さんに私の気持ちを伝えるなら今だ、と口を開く。

「義元さん…貴方に会ったときからとても惹かれて、こうしてたまにでも会えるのがとても嬉しくて…そんな風に言ってもらえるなんて…私で…良い、ん、です、か…?」

私の言葉に義元さんは柔らかな笑みを浮かべ、顔を寄せてくると軽く口付ける。

「俺の事をそう思っていてくれたんだね、嬉しいよ、ありがとう」

柔らかで繊細な唇が触れ、私のからだの熱が一瞬にしてあがるのがわかる。

どうしよう、と思っている間に義元さんにそっと横たえられる私のからだから、はらりと帯が解かれ義元さんに肌を晒し、義元さんの骨ばった手が私のからだを滑っていく。

結んだ髪の毛が私にさらりとかかり、義元さんの頭の動きに合わせてその髪の毛もゆらゆらと揺れるのが、なんだかとても厭らしく感じられて私は感覚がおかしくなりそうだった。

「よ…しも、と…さ…」

切れ切れに声を掛けると義元さんは顔を上げて私を見るものの、穏やかで優しい瞳は欲がかった妖しい眼差しに変化していた。

「あぁ…我慢出来そうにない?じゃあこうしようか?」

だめ…それは…私の言葉は無視され、義元さんにとことん堕とされていく。

貫く義元さんの姿はあくまでおとこ。

私はその姿に、私の全てが溶けていく。


<終>
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