• テキストサイズ

<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第225章 好きはいつまでも ― 姫&幸村 ―


私が目をぱちくりさせる間も無く、幸村の顔が近付いて口付けられた。

「ほんと、舞は男を惑わす悪女だな」

「なっ、なによぉ、人の事を悪女だのイノシシ女だの悪口ばかりじゃない」

口付けられてからの悪態に、私もつい言い返すと、幸村は破顔する。

「はは、悪かった。でもおまえのその可愛さは、俺だけじゃなくて他のおとこも煽っているって事なんだからな。俺としてはそういう姿、他のやつに見せたくないんだ」

「えっ…そんなにあからさまに言われちゃうと…恥ずかしい…」

幸村から可愛いなんて言われると、嬉しいけれど恥ずかしいな。

「あ、そうだ、幸村、もうすぐ誕生日でしょう?何か欲しいもの、有る?」

今日、聞こうと思っていた事を忘れるところだった。

「あー、うー、別に、欲しいものは無い、けどなぁ…」

何となく歯切れの悪い幸村の言葉に、気になって私は尋ねる。

「やっぱり欲しいもの、有る?私が贈れないような高価なもの?」

「いや…そんなものじゃなくて…」

幸村はちょっとそっぽをむいて頬を人差し指でひと掻きし、思い切ったように私を見てから私の肩を乱暴に抱いた。

「んじゃ、その日はずっとおまえを愛させろよ」

「うん…え…は…えっと…」

幸村のお願いについしどろもどろになってしまう。
/ 944ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp