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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第220章 見つめる二人 ― 姫&秀吉 ―


そんな私を受け止めてくれた秀吉さんは、私を胸の中に包み込み髪の毛を撫でてくれながら甘く囁いてくれる。

「全く俺のおひめさまはどこでそんな俺を煽るような事を覚えてきたのやら」

煽るような事はしてないよ、と言おうとして顔をあげたら、すぐ目の前に秀吉さんの優しい眼差しと交差し、自分の心臓がどきりと大きく跳ねた。

私たちが一瞬見つめた後、私は自分の顔をあげ、秀吉にキスした。

「舞…」

「秀吉さん…大好き…秀吉さんと出会えて幸せだよ」

私が心をこめて言うと、秀吉さんは私を見ながら頬を赤くし、そして、参ったなと笑う。

「舞がそんなに俺を煽ってくるとは思わなかったな」

そのまま秀吉さんは私を抱き締めたまま横たわり、秀吉さんの唇が私の言葉を奪い、大きな手のひらが肌を優しく這う。

秀吉さんと一緒なら、この戦国も生き抜いていける。

優しさを知ってから、そして、自分の心に気付いて、秀吉さんの気持ちも知ってから、幸せと未来への苦難はあるけれど、現代へ帰らなかった事は後悔していないよ。

秀吉さんの熱を全身で感じて受け止める。



「少し眠るか?」

「うん、秀吉さんが抱き締めていてくれるならね」

「おい、そんな事言ったら、どうなってもしらないぞ」

秀吉さんの寝顔を見たいから本当は寝ないつもりだけど、それをごまかすように私は秀吉さんの背中に腕を回し、ぎゅっと二人のからだをくっつけてまたあがる熱を感じた。


<終>
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