<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第220章 見つめる二人 ― 姫&秀吉 ―
「何?秀吉さん、私の顔に何かついてる?」
秀吉さんが何故かこちらをじっと見ているのに気付いて、私は恥ずかしくなって聞いた。
「いや…舞は可愛いなって思ってな」
「は?いや、それは…どうも…」
どうして真顔で恥ずかしくなるような事を平気で言えるのだろう。
でもそんな秀吉さんが私は好きなのだから、お互いさまといったところかな。
「秀吉さんもかっこいいよ」
だから私もいつも思っている事を伝える。
途端に秀吉さんは目元を赤らめ、口を片手で覆って横を向いてしまった。
「おい、舞…そんな恥ずかしく思うようなこと、平然と言わないでくれるか」
「え…だって、秀吉さんも私に言ったばかりだよ」
私が同じ事を言われて先に恥ずかしく思った事を伝えると、秀吉さんは片手を覆った手を外し、こちらを真剣な顔をして見て言った。
「違う。おまえは本当に可愛い。人に見せびらかしたいけれど、おかしいやつに好かれても困るから人に見せたくもない」
何と言う真逆な考え、でも、私への愛情をじんわり感じて嬉しくなってしまった。
「ふふ、秀吉さん、ありがとう。私、秀吉さんが大好きだよ」
つい、秀吉さんの胸の中に飛び込んで言ってしまった。