<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第217章 堕としたい ― 政宗&姫 ―
俺は大きく笑みを浮かべて舞を見る。
「俺はいつでも本気だぜ。だから俺のところに来いよ」
「誰ももらってくれなかったら政宗のところに行くよ」
反対にかえってきて、まるで最後の砦のような言い方に、内心少しむっとする。
「おい、俺は他のやつらより下なのか?」
俺の言葉に、舞は自分の言った内容に気付き、慌てて謝ってくる。
「ご、ごめん!そんなつもりは無いの」
くるくる変わる表情に素直な性質、着物越しにわかる胸と腰が豊かに張った体形…俺はすっかり舞が欲しくなった。
こいつを俺に本気にさせて、思い切り啼かせたい。
「なら、これから俺を好きになれば良い」
俺は立ち上がり舞へ近付くが、俺の目は舞を見詰めたまま離さない。
視線で捕らわれた舞は、それだけで赤い顔をして俺を見ている。
俺の本気を見せてやろう、そして俺の許へ来い。
俺は笑って「ほら、送ってやるよ」と帰城を促し手を差し出すと、ちょっと息を吐いて「ありがとう」と俺の手を取り立ち上がる。
本当はこの手を引き寄せて、そのままそのからだを抱き締めたら良いのだろうけれど、今日はまだ辞めておこう。
舞、俺をもっと知って、俺に惚れて、そのうち俺の前にその肌を晒してくれるのを楽しみにしているからな。
<終>