<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第211章 馬 ― 政宗&姫 ―
「うん、乗れるようにもなりたいんだ」
「じゃ、俺が後で乗るから、その時一緒に教えてやるよ」
政宗の言葉に舞は嬉しそうに顔を向ける。
「ほんと、政宗?ありがとう、助かるよ」
その代わり、と俺は舞に近寄り、顎をつまみあげる。
「教えてやる礼に口付けくらいくれるんだろう?」
途端、顔を赤くしてどうしようといった表情をする舞。
全く構いがいのあるやつだな、と思いつつ、返事も聞かずかすめるように口付けた。
「まさ…むね…っ」
驚いた舞が俺の名前を呼び、一歩後ずさった。
全くこれくらいで驚いて、本当に新鮮で退屈しのぎになるやつだな。
「全くそんなに驚くなよ、益々手ェ出したくなるだろう」
「も…政宗ったら…」
俺は舞から一歩離れて言った。
「じゃ、後で乗る時に部屋へ迎えに行くからな」
ひらひらと片手を振り俺は舞から離れて戻る。
案の定ぽかんとした顔で俺を見送る舞は面白い。
俺の本気の動きに巻き込んで、俺の事を好きにさせてやるから、舞のやつ待ってろよ、と俺は内心笑いながらこれからの事を想像した。
<終>