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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第210章 星 ― 姫&佐助 ―


ふんわりと甘いあんこが口に広がるけれど、もともとが小さいから量も少なく食べやすい。

「美味しい」

私が喜ぶのを見て佐助くんも一つ手にし、私は佐助くんも食べるんだ、と思っていたらそのおまんじゅうは何故か私の唇の前で突つかれた。

「舞さん、口、開けて」

「え…あ…むぐ…」

『あーんするの?』と聞こうと口を開けた瞬間、おまんじゅうが口に突っ込まれた。

「ちょ…美味しいけど自分で食べられるよ」

佐助くんに軽く抗議すると、佐助くんは目のふちで笑みを浮かべた。

「俺がやりたかったんだ」

もう、そんな事言われたら、断れないじゃない。

「じゃあ…もうひとつお願いしちゃおうかな」

照れながら言うと、佐助くんはまた私の口元におまんじゅうを運んでくれたので、私は口を開いておまんじゅうを食べた。

そして食べ終えて、私は佐助くんにぴたりと肩をくっつける。

佐助くんが私の動作に少し驚いてこちらを見た時。

私は佐助くんにおまんじゅうではなく、口付けした。

瞬間のことだから佐助くんは驚くと思った。

けれど、佐助くんは気が付いていたように私の後頭部をそのまま支えて、軽い口付けを深いものにしてしまった。

駄目だよ…流れ星が見てる。

「願いはもう叶ったよ、俺は」

佐助くんは目の奥に星の光を宿して言う。

「きみが欲しいって」

佐助くんにそんな事言われたら、嫌だなんて言えないよ。

私は佐助くんの首に両腕を回し、佐助くんの動作に自分の全てをゆだねる。

流れ星を見付けたら、私は何を願おう。

きっと、佐助くんと同じこと、かもしれないね…


<終>
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