<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第207章 恋は青色 ― 姫&政宗 ―
「だって政宗ったら何かこどもみたいなんだもん」
すると政宗の目の奥が光ったように見え、私の横へずいと寄ってきた。
「俺がこどもかどうか試してみるか?」
あ、これはその…政宗をある意味興奮させてしまったみたい。
政宗が私の腰を引き寄せ、裸の肌が触れあう。
見られて恥ずかしいのに政宗は、お湯の中を「ふぅん」と平然と見て、私は見ないでと腰をくねらせる。
その様子がかえって政宗を煽るらしく、政宗は私のからだに触れ出し私は悶える。
もう、こどもみたいって言うと、そうじゃないってこういう形でお仕置きしてくるんだから。
でもその甘いお仕置きは嫌いじゃなくて、そのまま私はその罠に堕ちていく。
二人きりの温泉は、鳥のさえずりだけ聞こえる。
木々の影から漏れる光の中、絡み合う私たちのからだの音が響く。
そうなると私にはもう何も考えられなくなって、政宗だけしか目に入らない。
私を甘やかす政宗のからだに捕まって、蕩けていくからだを全て預ける。
お湯の青、顔を上げれば木の間から見える空の青、目の前に欲をほとばしらせる政宗の瞳の青。
青に囲まれ、私たちの愛はどこまでも突き抜けていく。
政宗の瞳に捕らわれ、全てを呑み込まれ政宗と溶けてゆき、私は青に染まる。
青色の恋は私を政宗の思うさまに染め、思うさまに動かし、思うさまに我が物にして、私の全身を貫いて政宗と同化していくの。
<終>