<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第204章 Change root ― 佐助&謙信 ―
「ほう…俺に、生きるために手に職をつけたいから雇え、と言うのか」
「はい」
「良かろう。俺を命を助けた礼だ。直々に俺が鍛えてやるから、俺の軒猿の一員にいれてやろう」
「軒猿?」
俺が聞いた事のない言葉に首を傾げる。
「知らぬのか。俺の直属配下の忍び集団だ」
「忍び…忍者という事ですか」
「何か文句あるか」
上杉謙信が少しいらついたように言い、俺は急いで頭を下げる。
「いえ…謙信様、それではよろしくご指導ください」
「ならば良し。では佐助、陣へ戻る。ついて参れ」
先程まで死んでいたとは思えないように優雅に立ち上がる上杉謙信の姿に、俺は一瞬見惚れてしまう。
危険なこの人を上司として、俺はどこまでやっていけるかわからないけれど、あの女性を見付けるために生きていこうと決意し、その思いはやがて戦国ライフを楽しめるような考えに変わり、ズッ友も出来てこの時代も良いものだと思えるようになっていった。
俺が戦国時代へ来て四年になり、あの歴史上有名な本能寺の変が起きる。
そこで俺は、とうとうあの、巻き込んでしまった女性に再会出来る。
本能寺の変で織田信長を助け、歴史を俺同様大きく変えてしまった舞さんと俺が、どうなっていくかは…これから貴女の選ぶルートで変わるんだ。
<終>