<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第20章 こんぺいとう ― 姫&信長 ―
きらきらと陽の光を受けるこんぺいとうは可愛い宝石のよう。
信長様は瓶のふたをきゅっと開け、一粒手に取り、口に含まれた。
私にはその姿が可愛らしく思え、くすりと笑みを浮かべる。
目ざとく信長様は気付き「何故、笑う」と、私の顎をすくわれる。
鼓動がどきんと大きく跳ねる。
紅の瞳が私を束縛する。
「こんぺいとうを口にされる姿が可愛らしいな、と思って…」
と信長様の事を言うと、ほう、とにやりと笑う。
「俺が可愛いと。貴様は存在自体が愛らしいがな」
あごをすくわれたまま、信長様が口付けすると、こんぺいとうの甘さを感じた。
「こんぺいとうの味がしました…」
私が言うと、信長様はもう一粒こんぺいとうを瓶から取り出し口に入れた。
そして、私を抱き寄せ、再度口付けされた。
あまいあまいこんぺいとう。
ちいさなあまい宝石たち。
そのあまさで私達の愛もうんと甘くしてね。
「信長様…」
私は両腕を信長様の首に巻き付けて、あまい口付けをおねだりした。
<終>