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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第201章 この男、惚れれば。 ― 姫&光秀 ―


そして光秀さんはたった一言のために口を開いた。

「舞…」

ようやく呼ばれた自分の名前にどきりと心臓の鼓動が大きく跳ねた。

じっと私を見つめる瞳は金色。

色素の薄い髪が風が吹くと柔らかに揺れる。

危険な人だ、私はわかっている、けれど、目が離せない。

何故、だろう、私の事を弄ぶような性格の人なのに、もっと構って欲しいと思う自分もいる。



この男、惚れれば…

胸の奥がうずき、立ち上る言葉。

光秀さんに惚れたら?

私に何が起きるのだろう。

目の前の危険な扉を開けたら、私にどんな事が待っているのだろうか。

わからない、けれど、危険な甘美が待ち受けている、そんな気がしてならない。

私はその扉を。

どうしようかためらうものの決心する。



ゆっくりと押して開ける。



そして、今はまだわからない甘い地獄への一歩を踏み入れた。


<終>
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