<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第201章 この男、惚れれば。 ― 姫&光秀 ―
あの人を気に掛けてはならない、私の中の感情が危険と訴える。
でも、惹かれずにはいられない。
何故なのか、それは。
「そんなところで何をしている、小娘が」
まさしく廊下でぼんやり桜を見ていたら、危険と思っているあの人に話し掛けられた。
「…み、光秀さん…」
声で私の強張りがわかるのだろう、光秀さんは片頬で笑みを浮かべると私の座る側へ近寄ってきた。
「俺が怖いか?」
ずばり聞かれ私は動揺してしまうけれど、誤魔化しても誤魔化しきれない光秀さんの眼差しに正直に言う。
「怖いというか…光秀さんがどんな人かわからないので、どのように接していいのか考えます。だからこそ避けるのではなく、貴方の事を理解するように努力したいと思います」
私の言葉に光秀さんは少し目を見開き、意外そうな顔をした後、ふ、とまた笑みを浮かべる。
「てっきり俺を避けまくると思っていたのだがな。面白い小娘だ」
そしてくつくつと喉を鳴らすように笑う。
「そんなに俺が知りたいなら教えてやろう。これから銃の鍛錬に行くから小娘も来い」
「じ…銃、ですか…っ?」