<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第199章 感情に蓋を。 ― 三成&姫 ―
「三成、あまり思いつめるな」
秀吉様にも私の感情はわかっているのでしょうか、言われてしまいました。
「…何の事でしょう?私はいつも通りですが?」
邪な感情を隠して私は微笑みを浮かべ秀吉様に答えます。
「…いや…いつもと同じなら良いんだがな」
俺の思い違いかな、と言った事を言いながら私から離れる秀吉様。
貴方の、人を思いやるお優しい性格から人たらしと呼ばれ、信長様に重用されるかた。
素晴らしいかただから私は貴方に付いてきた、その優しさは今は少し煩わしいのです。
ああ、思いつきました…舞様を私のものに出来るかもしれませんね。
舞様をどこぞ、誰も知らぬところへ隠してしまいましょう。
信長様も秀吉様も家康様も、どなたもご存知ない、私だけの場所へ。
そうすれば朝夕ずっと私一人のものに出来るかもしれませんね。
そして私は首を左右に振る。
そんな事は出来ないと自分でわかっているのです。
そこまで悪にはなりきれない、私は深く家康様を尊敬しているからです。
私の心は堅く蓋を閉めて、未来永劫、外へ出さないようにしましょう。
そして明るくお二人に声を掛ける事にしましょう。
「おめでとうございます、末永くお幸せに」
<終>