• テキストサイズ

<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第196章 月のうさぎ ― 謙信&姫 ―


「謙信様、おわかりになりましたか?」

「成程、餅付きをするうさぎの姿か」

「そうです、それです」

両手を合わせてぱちんと手を叩く舞は、俺がうさぎを見付けたのを喜ぶ。

「そんなに喜ぶ事でもなかろう…しかし、何故あのようにうさぎの姿が月に見えているのやら…」

俺が疑問に思うと、舞が言った。

「あ、それは月のクレーターというものです」

「…くれぇたぁ?」

はい、きっとこれについての説明は佐助くんが詳しいと思いますけれど、と前置きして俺に説明をする舞。

何に対しても一生懸命な姿は、いつまでたっても変わらないだろう、と俺は笑みを浮かべる。

「謙信様、話し、聞いてます?」

俺の姿に話しを聞いているか気になったのだろう、俺は舞を片手で抱き寄せ言う。

「説明は後で佐助から聞こう。今はおまえが欲しくなった」

「え…あ、けん…し、ん…さ、ま…」

舞を口付けで塞ぐと、黙ってやがて俺を受け入れる。

おまえはそれで良い。

うさぎが月で餅をつく中、俺と舞は抱き合い口付けを繰り返すのだった。


<終>
/ 944ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp