<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第19章 権謀の月 ― 光秀 ―
おまえを守りたい。
だからこそ。
俺はおまえに形ある幸せを贈りたい。
俺が愛した証を贈りたい。
たとえ俺は地の底に落ちても。
いつから願うようになったのか。
一人のおんなの幸せを。
いつから愛するようになったのか。
舞、おまえの全てを望むようになったのは。
おまえのまっすぐな想いが温かくて愛おしく。
おまえの事を狂おしく求めたい。
今だけ、許してくれ。
赤く染まる満月が俺を狂わせる。
こんな想いは二度と求めぬ。
舞。
おまえを想いながら。
俺は自分自身を狂った月の中、快楽へ導く-
<終>