<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第194章 気分は花丸 ― 姫&信長 ―
今の気分は踊ってみたくなる。
と言っても私は踊れる訳じゃない。
でもふわふわと浮かれるような気持ちで、足取りもとても軽い。
だって久し振りに信長様が遠乗りに連れて行ってくださるんだもの。
だから私は今、部屋に戻って着替えるところ。
忙しくてなかなか会えなかった信長様に久し振りに会えて、真っ先に言われた。
「二人で出掛ける。遠乗りに行くから支度しろ」
どんなところに連れて行ってくださるのだろう。
急いで支度をし、小さな風呂敷包みを持ち足を運ぶ。
信長様は既に支度をされて、私を待っていてくださった。
「お待たせしました」
「荷物はそれだけか?」
「はい」
馬に荷物をくくり、信長様はひらりと馬にまたがり、私を前に乗せてくださった。
颯爽と馬を操る信長様と一緒にいられるのが嬉しくて、馬に揺られながらも笑みがこぼれてしまう。
「なんだ、ずいぶん機嫌が良いようだな」