<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第192章 日々、愛が深まる ― 佐助&姫 ―
「今の舞さんの顔、赤くなっていて可愛くて、俺は他の人に見せたくないんだ。だからその顔を他の人に見せてないか気になるな」
「そんなのわかんないよっ…」
「待って。その慌てぶり、怪しいなぁ。思い切り誰かに見せてるようだね」
俺がいぶかし気に舞さんの顔を覗くと、何故か慌てる舞さんが怪しくて、ついあごをすくって顔をまじまじと見てしまう。
「顔…ちかい、よ…佐助、くん…」
目線を泳がせる舞さんに、俺はようやくこの距離が近すぎる事に気付く。
どうせなら、とその距離のままキスをする。
一瞬からだを震わせたものの、俺を受け入れるのにものの数秒かからない舞さんの柔らかな唇。
こんなに可愛い態度をとる人を、この後、無防備にこのままじゃ出せないじゃないか。
俺はその場で舞さんの着物の衿を広げ表れた白い肌に手をまさぐらせると、明らかに今迄とは違う艶やかで淫らなため息を感じる。
舞さん、そんな声まで出しちゃ益々人前へは出せないから、俺と落ち着かせる為に愛し合おうか。
「さす、けくん…となら…いい、よ…」
柔らかで甘く口から出る言葉に、俺はおんなの匂いがついて回るのに気付いてくらりとし、この後の二人の行為がどのようになるのか即座に理解し、舞さんをゆっくりと押し倒していく。
舞さん、覚悟出来るかな。
俺の日々深まる愛を、今からたっぷりと知ってもらうから。
<終>