<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第191章 も・も・い・ろ・と・い・き ― 姫&幸村 ―
私は大きく息を吸い、細くゆっくり吐き出した。
横になって同じく大きく息を吐くこの人と、同じ舟からたった今、降りたところ。
「幸村」
私は彼に声を掛け、こちらを向いた彼に不意打ちに口付ける。
「うぉ」
突然の口付けに驚く彼に、私は唇を離して言う。
「ふふ、びっくりした?でもたまにはこういうのも良いでしょう?」
私の笑いながら言った事に彼はにっと笑って私の腰を引き寄せた。
「ああ、たまにじゃなくて、いつでも俺は良いぜ?」
そして今度は彼から口付けられ、その口付けは舌を絡ませる濃密なものとなり、その間に彼の手は裸の私のからだをまさぐる。
既に彼に愛された私のからだは、またも這う彼の手に反応してしまい、触れられる度にぴくんとからだが震えてしまう。
「ずいぶん感じてるな。さっきのじゃ足りなかったか」
相変わらずのデリカシーの無さだけど、私は大きな背中で私を守ってくれる彼が大好き。
「足りてない訳じゃないよ…しいて言えば…」
私が一度口を閉じて続きを言う。
「…しいて言えば、幸村が大好きだからずっと愛していたいかな」