<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第186章 Virtual valentine ― 武将&姫 ―
<家康の場合>
「何、それ?」
家康は舞から聞いたバーチャルバレンタインの内容にまゆをひそめる。
「俺には関係ないよね?」
自分が知らない事を知っているんだ、と拗ねる家康に、舞は急いで言う。
「ただの遊びだし、家康には本物を渡すから贈ってないんだってば」
「ふぅーん?」
家康の胡散臭いものを見るような眼差しに、舞は家康に抱き着く。
「もう…っ、私には家康しかいないって知ってるでしょう?家康が大好きで、いつも一緒に居たい、こうして二人でいられるのがとても幸せって言ってるじゃない」
舞の言葉に家康は少し表情を緩ませる。
「まぁ…舞がそう言うなら、許してあげるよ」
「ほんと?家康大好き!」
家康に抱き着いたまま、胸にすりすりと顔をくっつける舞を見て、家康はそのまま舞を押し倒す。
目をぱちくりさせる舞に家康はふ、と笑みを小さく浮かべて言う。
「それじゃあそのバーチャルじゃなくて、俺は本物の舞が食べられるんだね」
「え、えーと…はい…そう、です、ね…」
家康のしてやったりという表情に何も言えず、舞は家康からのキスを受け全てを委ね、家康は舞へからだを沈ませていった。
<終>