第186章 Virtual valentine　― 武将＆姫 ―

＜佐助の場合＞

「バーチャルでチョコを贈る？」

佐助はスマホのバーチャルバレンタインの画面を見ながら言う。

「そうなの。遊びなんだけどチョコを贈り合うのって楽しいよ」

舞はほら、と画面を見せる。

「こうやってチョコのメッセージを変えられるんだよ」

そこには『辛いもの食べ過ぎないで』チョコと書かれており、贈る相手は家康だった。

「ふぅん、家康公にこんなメッセージで贈るんだ」

佐助は感心しながら画面を見る。

「へぇ、三成さんには『ちゃんとごはん食べてね』チョコ、なんだな」

「そう。だって三成くん、放っておくとごはん食べないでずっと本を読んでるからね」

くすくす笑いながら舞は「おくる」でチョコを送信する。

「バーチャルで贈り合うのも良いけれど、俺には無い？」

佐助にじっと見つめられ、舞は自ら佐助に抱き着きキスをする。

「佐助くんには、本物のチョコの他に私を贈るけど？」

佐助はその言葉に参ったと言わんばかりに首を左右に振る。

「全く、きみには敵わないな」

そして佐助は舞を抱き締めると、佐助から唇を求め、やがて互いの肌を触れあわせていくのだった。


＜終＞