<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第183章 晴れの日の恋 ― 姫&佐助 ―
時々、私はこうして佐助くんにキスをおねだりするの。
佐助くんは小さく口角をあげると、私の肩を引き寄せて低音で言う。
「仕方ないお姫さまだ」
そして柔らかな唇の感触が落ちてくる。
「ん…ふ…う…」
すぐ離れると思った唇はそのままくっついたまま、佐助くんの舌が私の口内に入り込み歯茎を撫で上げる。
佐助くんのいつもより情熱的なキスに、私は自分を見失いそうになる。
しばらくしてようやく離してくれた佐助くんが、目を細めて眩しいものを見るようにした。
「いたずらする子にお仕置きしたら、人に見せられない表情をして俺を更に煽るの?」
「そんなつもり…ないよ…」
自分がどんな顔をしているかわからないから、いつも通りに答えたけれど佐助くんには違って見えるみたい。
「予定変更」
「え?」
「おにぎりより先にきみを食べることにする」
佐助くんが伸ばした太ももの上にまたぐように座らせられ、後頭部を引き寄せられる。
佐助くんの濃い茶色の瞳が間近に映り、私は瞳を閉じ佐助くんの全てを受け入れる。
青い空の下、二人きりの秘密のデートは甘い吐息を含んだものに代わり、私と佐助くんはいつまでも抱き合い手足を絡ませる…
<終>