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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第183章 晴れの日の恋 ― 姫&佐助 ―


私が歩く隣には貴方が居る。

「今日は良い天気だね、佐助くん」

「ああ、こんな天気に二人で出掛けられるなんて、俺は運が良い」

「もう…天気が良いだけで運が良いなんて、佐助くんは大袈裟だよ」

私が笑いながら佐助くんに言うと、真顔で佐助くんは言う。

「いや、これが雨だったら目も当てられない。せっかくのデートなんだから、天気が良いほうがやっぱり良い」

二人で来たのは春日山城から歩けるところにある湖。

木陰を見付け腰を下ろし、私は作ってきたおにぎりを佐助くんに差し出す。

「兵糧丸じゃなくておにぎりどうぞ」

冗談めかして言うと、佐助くんは目をぱちくりしながらおにぎりを受け取る。

「舞さんから冗談を聞くとは思わなかったな」

「あら、じゃあ、兵糧丸にしておいたほうが良かったかしら?」

わざと唇をとがらせてみると、佐助くんはわずかに焦ったような口調で言う。

「いや、そういうつもりじゃなかった。気に障ったらごめん」

「ん、許してあげるから…ね?」

私はわざと顔をずいと近付けて、わざと佐助くんにせまる。
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