<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第178章 舞う ― 信長&姫 ―
「腕の位置が違う」
「は…はいっ…」
舞を信長から習う舞だが、もともと経験が無いので早々簡単には出来ない。
「貴様、真面目にやっているのか」
あまりの出来なさに信長が呆れるのを見て、舞はしょぼくれる。
「やった事ないんですよ、いきなり信長様みたいに舞えません」
「出来なければ出来るまで鍛錬すれば良いだろう」
さらりと信長に言われ、言葉に詰まる舞は必死に言い返す。
「そりゃそうですけどね、私は着物さばきだって慣れてないんです。出来なくて当然です」
「それはただの言い訳だ」
信長にぴしりと言われる。
「出来なければ出来るようになればいい事だ。続けるからついてこい」
「…わかりました」
さんざん練習して腕は疲れているものの、信長に言われ横に並び同じ動作をする。
「貴様、また腕の位置が違う。それに腰をもっと落とせ」
「これ以上落としたら倒れますぅぅぅ」
思った以上の舞の難しさに、舞のからだが悲鳴をあげていた。