<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第170章 流れる星の中で ― 佐助&姫 ―
すると俺の頼みが断れず、舞さんは明らかに顔を赤くしつつも立ち上がり、俺の膝の中へと移動してくれた。
「…ありがとう、捕まえた」
俺は後ろから舞さんの小さな身体を抱き締め、肩に顎を乗せる。
「さ、佐助くん…」
動揺する舞さんが可愛くて、俺は首筋に軽く口付ける。
「あ…ん…」
そんな声、出されちゃ、いくらここに他の人が居なくても、俺には困りものだな。
困って俺は空を見上げると、目的の星が流れるのがちょうど見られた。
「あ、流星」
「え?」
舞さんも空を見上げる。
この時代ならではの満天の星空に、見上げた舞さんは感嘆の声を上げる。
「星が降ってきそう…」
確かにそんな感じがする星々の淡い光を二人で見つめる。
「…そういえばふたご座ってどれ?」
ああ、知らなかったんだね。
「あそこだよ。オリオン座はわかる?そこから少し東へ視線をずらしてみると、二つの目立つ星が並んでるよね。それがふたご座のカストルとポルックスという、双子の兄弟の頭になっているんだ」