<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第167章 生きていく ― 姫&信玄 ―
戦国へ戻れるかどうか大きな賭けだったけれど、佐助くんのおかげで無事に戻ってこられた時は、謙信様や幸村が本当に喜んでくれたな。
私は手術跡をそっと指でなぞる。
信玄様はその指の動きを見つめ、私を抱き締めたまま話す。
「きみと佐助が現代から来て、俺を連れて行ってくれなかったら、今ここに俺は居ないかもしれない。きみたちには本当に感謝しているよ」
信玄様の片手が動き、私の唇をなぞる。
「だからこうして、舞と今ここで抱き合える」
私は今の姿を思い出し、恥ずかしさで全身が赤くなるのを感じるけれど、信玄様が離してくれず甘い動きにまたからだが溶けていく。
「舞…これからもこうして、俺と共にいてくれるかい…?」
信玄様の言葉に私は頷くしか出来なかった。
「勿論です…信玄様…いつまでも一緒に…」
私の返事に信玄様は嬉しそうな表情をし、また私に口付けをする。
私も信玄様の首に両腕を回し抱き着く。
改めて肌が触れあい、私たちは愛を作り上げる。
戦国にタイプトリップし武田信玄という有名な武将と出会った私は、不思議な縁でこのかたと恋をしそして今、戦国時代で愛し合う事になった。
愛してしまったから、現代に帰らないと決め、ここで最期まで生きていく事を決めた。
信玄様と生きていきたいと決めたから、私はこうして信玄様の愛を受け、いつかその行為に溺れていった…
<終>