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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第165章 幸せの日 ― 光秀&姫 ―


広げてみると、確かに隅に明智家家紋の桔梗がいくつか綺麗に刺繍されていた。

「おまえ、針子の仕事が忙しいと聞いていたが…」

俺は手拭いを広げたまま聞くと、舞は美しい笑みを浮かべた。

「そんな…だって光秀さんの年に一度のお誕生日だから、ちゃんとこの日は祝いたかったんです。お仕事もちゃんとこなしたから大丈夫ですよ」

愛らしい舞を再度、そっと俺は自分のからだと腕の中に閉じ込める。

今度は抵抗する事なく、俺に抱かれる舞の体温がゆっくり上がるのがわかる。

俺は舞の顎をすくい、潤む瞳を見詰めて口付けると、舞の両腕が俺の首にかかる。

そのまま俺はゆっくりと舞をその場に押し倒し、口付けを深くし愛を送り込む。

舞は歓喜の声をあげ、俺にしがみつき、甘くからだをくねらせる。

おまえが俺を愛するならば、俺もおまえを存分に全身で愛そう。

だから、俺の全てをおまえに注いで、おまえの全てを俺のものにしよう。

「光秀さん…私は貴方のものです…」

途切れ途切れに聞こえる、甘い囁きに俺は理性を狂わせ、狂乱の時を舞へ刻む。

「いいこだ…おまえは確かに俺のものだ…」

俺の言葉に柔らかく微笑む舞の唇を奪い、言葉すら奪う。

愛してる…舞、そんな言葉を心の中で何度も言いながら、俺は自分のからだを舞へ沈めていき、舞も俺の動きに合わせて艶めかしくからだを開く。

愛するおんなとこんな日を迎えられた事、これが幸せと言うものか。


<終>
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