<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第1章 ずっトモ ― 佐助&幸村 ―
「しょっちゅう、こうだから、覚えておいて」
「はぁ?俺まで巻き沿いかよ!」
「まぁ、ここに来てしまったから、必然的にそうなる」
「おい、やってならんねーな」
そう幸村は言いつつ、歩調は一緒に、俺と廊下を駆け抜ける。
後ろから抜刀したまま、無言で謙信様が追ってくる。
「幸村」
「あ?」
「いいやつだな」
走りながら幸村を褒める。
「おー」
幸村がきっと、いろいろな意味を含めて答える。
俺が勝手に思っただけかもしれない。
でも。この時。
俺は、幸村とはずっとともだちでいられるのではないか、と思った。
後日、この事を言うと、幸村も大いに頷いて言った。
「俺は反対だ。俺を巻き添えにして逃げるなんて、なんて奴だと思ったけどな」
でも、二人で顔を見合わせ、吹き出した。
<終>