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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第162章 虹 ― 謙信&姫 ―


二人で虹が消えるのを見て、部屋に戻り、俺はもうたまらなくなりそのまま舞を、後ろから抱き締め、首筋に口付けてゆく。

「…んっ、謙信様…」

「今日もたっぷりおまえを甘やかすとしよう。虹も見たし、俺達の絆は更に深まった」

「…はい、そうですね」

舞は静かに同意し、俺の甘やかしを受け入れていく。

少しずつあがる舞の甘い声に、俺は帯を解き、着物を乱す。

二人だけの時をたっぷり愛しながら感じさせ、目の前に見た虹の広がりを思い出し、空まで届く程の感覚を舞に与え、俺達は虹へ向かって互いの熱を放つ。



俺の手の中で寝息をたてる舞が愛おしい。

おまえを何があっても生涯守ると俺は決め、舞も俺についてくると誓ってくれた。

遠い時代から来たにも関わらず、俺を自分の身をもって、過去の呪縛から解き放ってくれた舞には俺は愛を注ぐ事しか出来ぬが、舞は俺の狂乱にも似た愛を悦んで受け入れてくれた。

俺は舞を起こさぬようにそっと起き上がり、襖を開け夜の庭の景色を見る。

真っ暗で庭は見えぬが、空には星が瞬き、一陣の風が俺の髪を乱してゆく。

次に吹く時は虹色の風が吹くと良い。

俺が舞を生涯かけて守り、俺の愛を受け入れた舞へ、幸福の一歩を歩んでいく証拠となる、虹色の風よ、吹け。

襖の中から舞の軽い寝言が聞こえてき、俺は戻って舞を再度俺の腕の中に閉じ込め、あの虹を思い出しながら眠りについた。


<終>
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