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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第161章 裏参謀の愛 ― 姫&光秀 ―


光秀さんに頬をつつかれ、私は驚き顔が赤くなるのを止められない。

「そっ、そんな光秀さんが変な事を言うから…!」

「俺はそんなに変な事を言ったか?」

すかさず聞かれて私は何も答えられず、知りません、とそっぽを向いた。

すると光秀さんの両手が私の両頬をはさみ、光秀さんのほうへ向かされ、じっとあの金色の瞳が全てを覗くように私を見つめる。

「舞、おまえは本当に頭が足りずに愛らしくて、退屈しないな」

「なっ…けなすんだか、ほめるんだか、どっちかにしてくださいよ!」

両頬を包まれたまま私は反論するが、光秀さんの顔がぐんとせまってきて、私の唇をかすめるように光秀さんの唇が瞬時、触れた。

「…みつ…ひ、で…さん」

驚きで名前を呼ぶのもやっとな私に、光秀さんは笑いながら、さらりとまた言う。

「うるさい口だ。ふさいでしまおう」

また光秀さんの唇が私の唇をふさぎ、その甘い舌遣いにからだのちからがくたんと抜けるのを己自身で感じる。

ちからが抜けたからだは光秀さんが支えてくれ、私はしばらく光秀さんの口付けを夢中で受けていた。

やがて唇を離した光秀さんは、にやりと私の顔を見て言い放つ。

「蕩けて良い顔だ。この続きは舞がおねだりしてこなければ、してやらぬ」

ひどい、私に選択権を押し付けてくるなんて、決まってるでしょ、続きが欲しいに決まってるじゃない。

私は恨めし気な表情で光秀さんに、小さくおねだりする。

「続きを…して、欲しいです…」

光秀さんはそれを聞いて、私をさっと横抱きにして馬のほうへ歩き出す。

「ではさっさと仕事を終わらせて、おまえを堪能する事にしよう」

もう、敵わない、さすが安土の裏参謀。

貴方に溺れる時を、私も待ち遠しく思う事にしよう。


<終>
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