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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第161章 裏参謀の愛 ― 姫&光秀 ―


「光秀さん、ほら、お花が可愛いです」

「おまえのほうが可愛いだろう」

「何言ってるんですかっ…」

光秀さんが仕事で安土からちょっと離れたところに行くのに、珍しく私を誘ってくれた。

いつも秘密裏に動く光秀さんは、だから普段は私を誘う事もなく、私は嬉しくて一つ返事で一緒に行く事を望み、光秀さんは私を馬の前に乗せて、馬を走らせた。

しばらく走って、馬を休ませるために野原で休憩する事にする。

私は咲き乱れる花を見て、光秀さんに話し掛けるけれど、戻ってくる言葉は何故か私が聞いていて恥ずかしくなるようなものばかり。

「はい、光秀さん、おにぎり作ってきました」

「ほう…おまえの時代では携帯用の食料はこのようにするのか」

三角形のおにぎりを見て、感心する光秀さん。

あ、そうか、この時代、兵糧丸はその名の通り、丸くていろいろなものを混ぜて作るんだよね。

そうしたら私の三角形のおにぎりは不思議に思うだろうな。

三角形で、中に政宗が漬けた梅干しを入れた、シンプルなおむすび。

二人で並んで座り、光秀さんはおにぎりをぱくんと口に運ぶ。

「…」
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