• テキストサイズ

<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第160章 もう傷付けない ― 家康&姫 ―


「…ごめん…もうからかわないよ…あんたがそんなに傷付くとは思わなかったから」

俺が髪の毛を撫でながら謝ると、ようやく舞がしゃくりあげながらも口を開いてくれた。

「言って良い事と悪い事があるの…さっきのは言って欲しくない…」

「うん…ごめん…もう言わない…」

更にぎゅっと強く抱き締め、俺は舞に誓う。

「あんたの笑顔をいつでも俺は見ていたい。俺はあんたの呑気な笑顔が好きで、それが見られるなら何だってする。だからあんたをこれからは絶対泣かせない。俺は必ず何があってもあんたの許に戻り、あんたの笑った顔を見せてもらう」

俺がちからを込めて話すと、俺の胸に顔を埋めた舞はこくりと小さく頷いた。

「…絶対だよ…戻ってきてくれないと、嫌、だから、ね…」

俺が舞を怒らせた言葉、それは戦で俺が死んだら、否、いつでも死ぬ可能性はあるから、何かあったら信長様に守ってもらうように言った事。

舞は俺が死ぬとは思っていない、俺は絶対生きて舞の許に戻ってくる、と断言したから、俺はそんなのは舞の願望だろう、と揶揄(やゆ)したのが原因だ。

俺はこの乱世をようやく生きてきたからこそ、いつ死ぬかわからない事を理解している。

舞は俺とは違う考えをしていて、俺は必ず助かり、生きて自分の前に姿を見せる、と断言出来ているのが不思議だ。

でも舞がそう言うなら、俺は生きているのもしれないな。

そう思わせる程、俺は舞に惚れているだろうから。

絶対生きて戻る、もうあんたを傷付けない、俺が俺であるからこそ、愛するあんたをずっと守りたいから。


<終>
/ 944ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp