<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第153章 繋がる ― 姫&信玄 ―
風になって貴方のところへ飛んで行きたい。
貴方に会えた事が私の幸せ。
時を超えた事が私の幸せに繋がるなんて、不思議だよね。
貴方の許へ運ばれ、貴方の手をとって、貴方に捕まえられて、離さないで。
「信玄様!」
私の呼びかけに、信玄様は人を魅了する笑みを浮かべる。
「俺の天女、おいで」
信玄様の広げた腕の中に、私はすっぽりと包まれて、暖かな幸せを感じる。
「私、この時代に来たときは不安でしかたなかったんです。でも信玄様に会えて、信玄様に恋をして、信玄様とこうして一緒にいられる。不安の後に、こんな幸せが待っていたんだなぁって思います」
私は信玄様の大きな胸に抱かれながら、思っていた事を伝えた。
「不安の後の大きな幸せか…その幸せをずっと二人でつなげていこう」
「はい!でも、つなげるって?」
私が信玄様の言葉の意味がわからず小首を傾げると、信玄様はくすりと笑う。
「簡単だよ。俺達の子を持って、その子達がまた子を持って。幸せの連鎖さ」
信玄様と私のこども、なんて、考えた事がなかった。
でも、いつか、信玄様との間にこどもは欲しいな、なんてふわふわした甘い考えが浮かぶ。