第152章 甘い意地悪　― 姫＆光秀 ―

「光秀さんの意地悪は、どうしてそんなに甘いの…」

私はうっとりと目をつむりながら、抱き締められている光秀さんの胸の中でつぶやいた。

「どういう事だ？」

艶めいた低音が耳に流れる。

「意地悪してやろうって言うけれど、光秀さんの意地悪は、最後には私を甘やかしてくれるものになっているでしょう…今日だって何をされるのかと思ってけれど、結局こうして私を抱き締めて、甘い囁きをからだに流し込んで、私を光秀さん一色に染めていったし…」

私はからだ全体を、光秀さんに更にぴったりとくっつける。

まだほのかに残る、雄と雌の匂いがまつわりつき、光秀さんのからだがほんの一瞬硬直したけれど、ゆるやかに私を抱き締める腕が心地よい。

「光秀さん…」

私が裸の胸に顔をつけながら名前を呼ぶと、笑みを含んだ声で応えてくれる。

「なんだ、舞」

「大好きです…これからも、こうして、私を愛してください」

すると笑みを深くした声で、光秀は言う。

「そんなに俺から意地悪されたくて言うのか？」

「…もう、光秀さん、そこから意地悪言うんですか…？」

私は顔をあげて、光秀さんを見ると、蠱惑的に微笑んでこちらを見る光秀さんが居た。