<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第151章 怒る理由 ― 三成&姫 ―
私が問うと、違うよ、と言って首を横に振る舞様。
では一体、このお顔の赤さは何でしょう…?
「では具合でも悪いのですか?家康様をお呼びしましょうか?」
私が更に声を掛けると、舞様はぎろりと私を睨みつけました。
「もう…全然…わかってないんだ…」
そう舞様はおっしゃると、私の腕を引き、目の前の部屋へ私を引き込まれました。
襖を閉め、私のほうを向いた舞は泣きそうな表情で言われました。
「三成くんが好き。三成くんも私を好きでいてくれるのでしょう?」
「はい、そうですが」
私達は最近お互いの想いに気付き、恋仲になったばかりなのです。
「じゃ、じゃあ…」
口ごもったあと、舞様は思い切ったように言われました。
「好きなら、どうして私を抱いてくれないの?私は三成くんに抱いて欲しい」
真っ赤な顔をして少しむくれて、でも泣きそうな表情の舞様の言に、私は更に同じ想いをお持ちだった事に気付き、嬉しくなりました。
私は舞様をそっと抱き締め、包み込みながら言いました。
「舞様が大切だから、そんな簡単に手を出して良いのか考えてしまいました…では、手を出して良いのですね…舞様の全てをいただいてよろしいのですね…?」
抱き締められながら舞様の頭が上下に少し動くのを確認しました。