<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第151章 怒る理由 ― 三成&姫 ―
「舞様、どこへ行かれますか?」
私の声を無視されたように、舞様はずんずんと歩いていかれ、私は急いで追い掛け歩みを止めさせるために腕を掴みました。
「もう…離してよ、三成くん。どこへ行っても良いでしょう!」
舞様の怒ったような声に、私は舞様を怒らせてしまった事に気付きましたが、何で怒っていらっしゃるのか、正直わかりません。
「私を怒っているのですか?何に怒っているのですか?」
手を振りほどいて去ろうとする舞様を必死に止めながら、私は問い掛けます。
すると、え、という顔をされた舞様は動きを止め、私を見上げました。
「何で、か…わからないんだ…?」
「え…?」
舞様の怒る理由がわからず問い掛けたら、私がわかっていない事に気付いて舞様はこちらを向いて、途端うつむいてしまわれました。
「…どうなさいましたか?」
声を掛けても舞様は下を向いたままです。
私は思い切って舞様の顎をすくい、顔をあげて様子を拝見しました。
すると、真っ赤な顔をして目線を私から逸らす舞様の表情がわかりました。
「…舞様?顔が赤いですが熱でもあるのですか?」