• テキストサイズ

<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第15章 瞬間  ― 秀吉&姫 ―


舞が本能寺で御館様を助けた、と信長様がその娘を安土城へ連れて来た。

身元のはっきりしない娘を城に住まわせ、面倒までみるとは、御館様は何を考えているのか。

しかし、城での生活に慣れてきた舞を見ていると、悪い様子は見受けられず、むしろ俺達に溶け込もうと、必死に毎日を過ごしているような様子を伺うようになった。



「舞」

よろよろと、何かを持って、城の廊下を歩いているところを呼び掛ける。

「はい、何ですか?秀吉さん」

舞が振り向くと、持っている大量の本の山がゆらゆら揺れた。

「どうした、その本?」

「三成くんが読んだ本を、書庫にしまっておくよって請け負ったら、こんなに有ったんです」

やはり、三成の借りた本か。

俺は舞が持つ本の中からほとんどを持ち、一緒に書庫へ歩いてやる。

「ありがとうございます、秀吉さん」

ふわりと笑うと愛くるしくて、俺の心の臓がどきりと音を立てる。

「いや。それより舞も無理に一度に行う事はないんだぞ。これらの本だって、一度に全て返しに行かなくても、数回に分けて返しても問題はないんだからな」

諭してやると、ああ、そうか、という顔をする舞。
/ 944ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp