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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第140章 星が見てる ― 姫&幸村 ―


説明がうまく出来なくて幸村は首を傾げるばかりだけれど、私は最後に言った言葉が一番伝えたい事だったから、それを言うと、ぱふんと幸村の片腕にすがりついて顔を隠した。

「舞、おい…ずいぶん、恥ずかしい事、平気で言うんだな」

「もう、繰り返さないで、幸村。でも恥ずかしいけれど、本当の事だからね」

顔を隠したまま、私が言うと、幸村が息を呑む様子がわかり、数瞬置いて私のからだは幸村の両腕の中にすっぽり包まれていた。

「ああ、くそっ、本当におまえ、可愛いな。可愛すぎて、今すぐ喰っちまいたい」

幸村に囁かれ、私の鼓動がどくんと大きく跳ねる。

「…いい、よ…幸村、私の事、喰っても…」

私は今、どんな表情をしているのだろう。

幸村が「ああ、もう」と呟くと、私の顎を片手ですくいあげ、私の顔を上げる。

「なんてぇ顔しているんだ、他のおとこには絶対見せられないな」

幸村の困ったような、でも、優しい顔が近付いて、私の唇を奪う。

普段の男らしい様子とは違って、優しい口付けに、私のからだが熱を持ち、腰砕けになっていくのが自分でわかる。

かくんと膝が抜けたのを、幸村が支えてくれ、私を横抱きにしてくれた。

「あんな事言ったんだから、一晩眠らせないから覚悟しとけよ」

幸村の腕の中で、私の姿は甘く溶けてゆく。

そして、星の輝きが私達の愛を包んで、更に強く、光り輝く。


<終>
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