<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第140章 星が見てる ― 姫&幸村 ―
星が降るように見える、戦国の夜空。
「ふわぁ…すごい星空…」
「なんだ、こんなのが珍しいか?」
幸村は隣で驚く私を見て軽く笑う。
「だって、未来ではこんなに見る事出来ないんだよ。本当にすごいんだから!」
私が力説すると、幸村はおや、というように眉を寄せて、聞いてくる。
「舞のいたところでは、こんなに星が見えないのか?どうしてだ?」
「うん、だってね、まず、夜でも地上が明るいんだよね」
「ちじょうがあかるい?」
「そう、夜でも昼のように明るいから、自然と暗い星は見えなくなるの」
「昼のように明るい…夜でも昼のようって想像つかないなぁ」
「そうだよね。それに空気が悪くなってるのも理由かなぁ」
「空気が悪い?」
「うん、空気が悪くなるような物がいろいろ出来てね、この時代みたいに空気に透明感がないんだよねぇ」
「ふーん?わかるような、わからないような…?」
「あは、ごめんね、幸村。とにかく今程、星は見えないって事だし、あの時代は私にとって大切な人が隣にいなかったから、余計に今は星が綺麗に見えるのかもしれないな」