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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第138章 一興 ― 信長&姫 ―


「二か所、どこをもらうとするか…」

俺はひとりごち、目に入った左の耳たぶを軽く噛む。

「…ん…っ」

「ひとつはここにする」

「もうひとつは…」

そう言ってわざと俺は、片手を舞の前に動かし、突き出した胸元へ這わせてみた。

「そっ、そこは、まだ、止めてください…っ」

片方の胸を俺のものにしようとしたが、舞が拒否権が無いのに言ってくる。

まぁ、良いだろう、他にも奪いたいところはあるからな。

俺は舞の右手を自分の手で取ると、そのひとさしゆびの先を口に含んだ。

「…っ」

「右手の指を、では、俺のものにしよう」

指先を舐められた舞の顔は、なかなか色っぽくてみものだ。

しかしまだ舞の心は俺へ向いていないから、この先はまだお預けだ。

勝負はまだ、これからも続く。

俺はひとつずつ舞のからだを俺の物にし、いつか、心も俺の物にして、その時は俺にしか見せられない顔をし、俺にしか聞く事のない声で、俺の前だけでその恥ずかしいと自分が思う姿を存分に見せるが良い。

その時を待つのも一興、だ。


<終>
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