<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第129章 伝えた心 ― 姫&三成 ―
「うん、言ったよ?」
「では」
え、と思う間もなく、私は三成くんに横抱きにされ、褥にからだを置かれてしまった。
「これからの私も好きになっていただきましょう」
三成くんが微笑むけれど、その微笑みは妖艶な色を湛え、私はぞくりと背中に何かが滴るのを感じる。
帯を三成くんが解いて着物を暴いてくる。
「ちょっと、待って…ね、三成くん、落ち着いて…」
「私は落ち着いてますよ?慌てているのは舞様でしょう?」
美しい天使の笑みは、妖しい光を灯した誘惑の光となり、私を違う世界へ連れて行く。
「ね、三成くん、ああ…っ」
「なんて良い声でしょう、舞様。可愛いです、もっと啼いてくださいね」
三成くんが好きだけど、でもこれを好きになれって、ずるいよ。
私は声がだんだんと荒げながら、三成くんのする事に流される。
だって、好きとか嫌いとか考えるより、からだが反応してそれについていくのに必死なんだもの。
「ほら、すごいですね、舞様、こんなに…です」
三成くんの声がからだ全体に沁み込み、でも、好き、以上の、愛してる、となってからだを巡る。
「三成くん、愛してる…」
<終>