<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第129章 伝えた心 ― 姫&三成 ―
「三成くん、大好き」
私の心を伝えると、三成くんは目をぱちくりさせた後真っ赤になった。
「舞様、唐突にそんな事を…」
「言ってはだめ?私の気持ちを伝えたんだけどな」
三成くんの慌てる姿を見ながら、私はふふ、と笑顔で言う。
「いえ、嬉しいのですが、驚きまして…」
三成くんは手拭いを取り出して、汗を拭いている。
真っ赤になって慌てる三成くんも、汗を拭く三成くんも、軍議中の冷静な三成くんも、どの三成くんも好きだよ。
私がそんな事を追加で言ったものだから、益々三成くんは赤くなり言う。
「どうして舞様はそんな可愛らしい事をおっしゃるのです。私を狂わせたいのですか?」
少しにらむように言ってくるけれど、元が三成くんだからちっとも怖くない。
「狂わせるなんて…好きだから、どんな三成くんも好きだって言っただけなのに…」
私も唇をとがらせて反論する。
私の言葉を反芻していた三成くんは、ふと気付いたようにじっと私を見て、急に落ち着いた様子になって、私に言った。
「どんな私でも好き、とおっしゃいましたね?」