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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第126章 深い秘密 ― 佐助&姫 ―


「ごめん、もう帰らないとならないのはわかっているけれど、駄目だ、足りない」

乱れた着物の衿をちょっと開いただけで、美しい艶めいた舞さんの肌が露わになり、俺は自分の唇をその肌に這わせる。

色っぽく内側から輝く舞さんの肌は、俺が先刻つけた赤い痕がいくつもついて、自らが付けたそれがやけに扇情的に見えてしまう。

「舞さん、俺がつけたのに、どうしてこんなに色っぽいんだろう」

俺の言葉に、舞さんは低く甘い声を小さく漏らし、からだをくねらせた。

ああ、たまらない、どうしてこんなにおとこを狂わす術を、舞さんは知っているのだろう。

生まれついての悪女なのだろうか、きっと他のおとこ達も、この姿態を見たらからだをうずかせる事間違いないだろう。

「舞さん、俺だけの舞さんで間違いないよね…」

俺が手を止めて、舞の蕩けた顔を見て言うと、舞さんはうっとりとした眼差しでこちらを見て言う。

「うん…そうだよ…ね、早く触れて…ずるい、佐助くん、ここまでして…」

どうしてこう、おとこを煽るのが上手なんだろう、ずるいのは舞さんのほうだ。

俺は帰らなくてはならなかった刻限を、心の中でもう少し後に設定し直して、もう一度舞さんと悦楽へ堕ちる事としよう。

舞さんを愉楽の底へ落とし込み、その姿は俺だけが見られる秘密。

もっと舞さんを抱き締めて、その秘密を更に深い秘密にしてしまおう。

まだ、その秘密の時は、もう少し続くんだ。


<終>
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