<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第13章 愛の舟 ― 姫&政宗 ―
強引、だよ。
いつもの事だけど、そう、思う。
でも嫌じゃない、むしろ、大好き。
「舞、どうした?」
紺碧の瞳が甘い熱を残したまま、私を覗き込む。
まだ、快楽の舟から降りられない私に、政宗は言う。
「足りなかったか?」
からかうような表情に、思わず声がうわずる。
「ち、違うよ!!」
「じゃあ、どうした?物足りないって顔してるぞ?」
「そ、そんな事ないよ!毎回、その…」
「毎回?その?」
言葉尻を捕らえて、意地悪い笑みを浮かべて政宗は突っ込んでくる。
もう…わかってるくせに。
どれだけ抱かれても飽きることなんて無い。
いつも満ち足りて、足りないなんて、考えられない。
政宗に愛される度、益々愛が深まり、溺れて、どうしようもなくなるの。